花ハウスだより

いつも笑顔のポジティブマン~20年後も介護現場で働いていられたら【花ハウスの人々14】【花ハウス20周年】

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 3階で介護職として働くEさん(38)は府中生まれの府中育ち、もちろんサッカーはFC東京のファン。仕事中、5分に1度は笑顔で声を掛け、一緒に笑っています。「どうして、いつも笑っているの」と聞きました。

 「こっちが楽しくないと、相手も楽しくないですから」。何事も前向きにとらえる性格、自分を利用者様の家族だと思うようにしています。

 穏やかに過ごしてほしい。でも自宅ではないから、自由は制限される。そこで出来る限りストレスがないように暮らしてもらうため、自分が家族のようになる、と考えるのだそうです。

 介護の世界に入ったのは23歳。中学時代の野球部の監督から声をかけられ、監督がいる老人保健施設に入りました。5年かけて介護の基礎を学び、その後、特別養護老人ホームや在宅介護で経験を積みました。

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初めて直面した死で感じたこと

 今も思い出す笑顔があります。介護の仕事に就いて間もないころに担当した女性の利用者様。熱心にリハビリに取り組み、車いすから、歩行器を使って歩けるほど元気になりました。「家に帰ったら何をしよう」と嬉しそうに話されていましたが、その20分後、急逝しました。懸命に心臓マッサージをしましたが、息が戻ることはありませんでした。

 介護職の現場は、日常と死が隣り合わせですが、怖かったといいます。「自分が勤務の時には、どうか誰も亡くならないように」と願っていました。初めて死に直面し、人はいつ亡くなるかわからないと覚悟ができました。幸せな時間はいつまでも続くわけではありません。今を精いっぱい楽しむことが大事です。「もし、自分の前で亡くなる方がいたら、『旅立ちに自分のいるときを選んでくれたのかも』とポジティブに受け止められるようになりました」

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「最高だよ、いいねえ~」

 最近嬉しいことがありました。お酒が好きな利用者様に医師から飲酒の許可が出たのです。男性は夕食後、居室でナイターを観戦しながら缶ビールを飲みました。家族が用意してくれた、おつまみをお部屋に持って行くと、「最高だよ、いいねえ~」。

 そんな笑顔を見るのが一番です。ふだんの食事は手づかみで食べる人が、好物のお寿司だと箸を使って食べます。驚きでした。一方で、望みをかなえてあげるのに伴うリスクも考えなければいけません。どうしたら事故を防げるのでしょうか。

 思うようにいかないこともあります。忙しくて利用者様にこたえられなかったり、やり取りがうまくいかなかったり。そんなときはフォローします。「さっきはごめんね」。職場や学校の人間関係と同じ。悪いと思ったら、怒られる前に謝ります。

 心がけているのはゴールを見つける手助けをすることです。「水分をとらないとダメだよ」ではなく、「水分取って、お部屋に戻ろうね」。ちょっとしたいい方の違いですが、少しでもポジティブにいきたいのです。

花ハウスのいいところは

 「花ハウスのいいところって何?」と聞きました。即座に返ってきた答えは「人がいい」。意地悪な人が一人二人いて当たり前だと思っていましたが、ここは怖いくらいにいい人しかいない。もちろんダメなところはだめといってくれます。

 「よくないところは?」と聞くと、建物や設備が少し古くなって使い勝手がよくないところがあること。よみうりランド花ハウスは来年3月で開設から20周年、いろいろと新しくしないといけないところもあります。

 最後に質問しました。「いまから20年後、何をしていますかね」。Eさんは「自分も58歳、何やっているんですかね。ここで働いていられればいいと思います」とおなじみの笑顔でこたえてくれました。(剛)

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 来年3月に20周年を迎える「よみうりランド花ハウス」のシンボルマークを職員に考えてもらっています。順次、紹介させていただきます。今回紹介するのは4階のHさんとTさんの作品(その一)です。<シンボルマーク案1>になります。

★掲載1IMG_1874.JPG<シンボルマーク案1>


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