あの東京五輪から59年～パン食い競争にバトンリレー、大運動会で爽快気分
花ハウスすみれ館の１階に万博旗が飾られ、床には競技場のように緑のテープでトラックが描かれました。１階、２階から車いすに乗ったご入所者様たちが勢ぞろい。秋の大運動会が始まりました。うん十年ぶりにブルマーと体操着姿の女性職員が、「無理のないように頑張りましょう！」と開会を宣言しました。
最初の種目はパン食い競争です。とはいえ、ぶら下がったパンを、手を使わずに口で食べる、「あれ」ではありません。車いすをこぎ、ゴール地点で待ち受ける職員が手にした棒から、ぶら下がったお菓子をもぎ取る「すみれ館バージョン」です。
次の競技はバトンリレーです。あるご入所者様は自力で、別のご入所者様は職員のサポートを借りながら、トラックを一周して次の走者にバトンをつなぎます。「がんばれー」。車いすでの力走に、職員たちから盛んな声援と拍手が送られていました。久しぶりに身体を動かしたせいか、入所者様はみなさん晴れやかな表情でした。
この日は、1964年に開かれた東京オリンピックの閉会式からちょうど５９年でした。運動会の最後、女性職員が「女子バレーボールでは東洋の魔女と呼ばれた女性たちが活躍しましたね。当時の様子をみなさん覚えていますか」と問いかけました。入所者様は昔を思い出したのか、感慨深げな表情です。この日は、よく眠れたのではないでしょうか。