よみうりランド花ハウス２階の四つのユニットに、大きな花束が飾られています。花瓶やお花の組み合わせは違いますが、どれもメインはアジサイ。２階テラスのガーデンに植えられていたもので、ホワイト、ブルー、パープルと異なる色合いです。

　花束をつくったのは、花屋で勤務経験のある男性職員のＹさん。毎年、この時期にテラスでアジサイを見ながらお茶会を楽しんでいましたが、今年は危険な暑さが予想されたため、思い切って室内で楽しめる花束のショーを企画してみました。

　猛暑の日曜日、テラスで「収穫」したアジサイに、買ってきた切り花も合わせて、ユニットごとに利用者様の前で花束にしていきます。その鮮やかな手際に「お～」とため息がもれます。「ただ束ねて丸くするのは簡単だけど、花の表情をどうやって見せるかがセンス。初夏のイメージのグリーンとイエローを意識しました」とＹさんは解説してくれました。

　Ｙさんの生家には、いつも季節の花が咲いていました。花が入れ替わったとき、一番早く気付いたのはＹさん。お母さんは「あなた、お花屋さんになったらいいんじゃないの」と言い、それがＹさんが花屋に勤めるきっかけになったそうです。

　「介護で花屋の経験が生きるとは思ってもいなかった。思った以上にみんなが集中して見てくれた」と嬉しそうに話してくれました。