デイの紅白を聞きながら、いろいろあった2025年にサヨナラ
年末の風物詩、デイサービス恒例の紅白歌合戦が今年も開催されました。紅白は、歌に合わせてユーモアたっぷりの寸劇を繰り広げるスタイルで、今年は紅組3曲、白組3曲で計1時間の歌謡ショー。脚本や演出を手掛ける座長役の職員は2か月前から企画を練り、舞台に立つ職員は1か月前からリハーサルを重ねました。

1曲目「浪花恋しぐれ」(都 はるみ、岡千秋)ではまず、いなせな着物姿の男女が登場。「芸のためなら女房も泣かす」と亭主関白な男が歌い、妻は静かに聞きます。ところが、夫が「酒や! 酒や! 酒買うてこい!」のセリフを口にすると、「わても、大阪の女や」と着物を脱ぎ捨て大阪のおばちゃんに変身し、夫の背中を豪快に叩き、圧倒するドタバタ劇。

兄弟の漁師が登場する「兄弟船」(鳥羽一郎)では、漁師がシャチを釣り上げたあと、前の曲で登場した大阪のおばちゃんたち3人を釣り上げました。切ない女心を歌い上げる「北の宿から」(都はるみ)では、女性を捨てた男役としてデイサービスの所長がビデオ出演するなど、凝った演出でした。
天皇皇后両陛下の前で披露され、天覧歌謡曲といわれた「こんにちは赤ちゃん」(梓みちよ)の場面では、天覧歌謡曲にちなみ、皇居から高貴なお方がお忍びで登場したという設定で、乳母車に乗った赤ちゃんを抱きあげ、あやす場面も。

父と兄がバレーダンサーだった尾崎紀世彦の「また会う日まで」では、立派なもみあげをつけた職員が歌の途中でバレリーナに変身。途中、等身大の尾崎紀世彦ボードが加わり大勢の尾崎紀世彦さんが一斉に舞台に並ぶ、大迫力のステージでした。

大トリは名曲「千の風になって」(秋川雅史)。大きな白い布に赤青緑の光が映し出される幻想的な照明のなかで、人間の魂が風や光、雪、鳥、星になって大空を巡るという詩がしみじみと歌い上げられました。

職員の汗と涙の結晶ともいえる舞台を見ながら、去り行く2025年をしみじみと振り返ることができました。

