花ハウスだより

猛暑に備えて脱水対策を確認~職員研修から

今夏は猛暑が予想される中、よみうりランド花ハウス1階の会議室で8日、「高齢者の脱水対策と経口補水療法」をテーマとする職員研修が行われました。ここ数年、真夏到来の前に実施している勉強会で、ケア部の介護士や看護師など約20人が参加しました。職員は、講師役の製薬メーカー社員米澤星子さんによる脱水のさまざまな症状や対策、熱中症の危険性などに関する説明に熱心に耳を傾け、ご利用者の体調管理や見守りなどに改めて万全を期すことを確認しました。

講義の内容は以下の通りです。

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脱水は発汗などで体液が体から失われることから生じ、のどの渇きや食欲不振を始め、体温上昇、強い疲労、尿量減少などに進み、ひどくなると悪心・嘔吐、頭痛、けいれん、無尿などの症状が表れます。高齢者は筋肉(体液を体に蓄えるタンクの役割)が少なくなっているうえ飲食の量が減り、のどの渇きに気付きにくくなっているため、脱水になりやすく、高齢者に多い症状としては肌や唇の渇き、傾眠、せん妄なども加わります。

脱水に体温調節機能の低下が加わると熱中症になります。熱中症を起しやすい人の中には、暑さに鈍感になっている高齢者が含まれます。熱中症は例年7月~8月の発生が多く、昨年は全国で926人が亡くなり、うち90%が屋内で死亡し、新聞などで報道されるようにエアコンがあるのに使っていなかったケースもあります。昨年、川崎市内では熱中症で384人が救急搬送され、うち5%が重度だったとのことです。

 脱水にならないためには、例えば、室温20度の部屋で8時間の睡眠中、350ミリリットル程度の汗をかくため、就寝前と起床後にコップ1杯の水を飲み、高齢者は1日に8回ほどこまめに水分補給することが理想的です。軽度~中度の脱水症状が表れた人には、普通の水ではなく糖質や電解質(ナトリウムやカリウムなど)をバランスよく配合した補水液が適当だとされます。

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 花ハウスでは、過去に熱中症での救急搬送のケースはありませんが、ご利用者が発熱や食欲減退など体調を崩すことは夏に限らず起こります。職員は「夏場は症状が出たら脱水なのかそれ以外の原因なのかをしっかり見極め、適切に対処しよう」「脱水対策では、室温の調整も含めて日常のこまめな体調管理が一段と求められる」などと話し合っていました。


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