花ハウスだより

高齢者向け施設を選ぶには~2月12日開催花カフェレポート

 第21回「みなさんのしゃべり場 花カフェ」が2月12日、よみうりランド花ハウスで「老後の住まいの選び方~施設入所の前に知っておくべきこと~」をテーマに、地域にお住まいの皆さんなど35人が参加して開かれました。東電パートナーズ介護事業部施設紹介グループの浦尾陽介、漆原秀樹さんが講師を務め、高齢者向けの様々な施設のうち特別養護老人ホーム(特養)や介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のサービス内容、平均的な居室規模、利用料金の違いなどを説明しました。同時に、入居後のトラブルを回避するため、施設選択にあたっては施設の責任者や職員、費用・料金体系、健康管理体制、食事、介護サービスの内容などをしっかりチェックすることの重要性を強調しました。

以下、概要をレポートします。

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「施設入居を検討する代表的なケース」:まず、自宅で訪問介護など介護保険サービスを受けていたが調子が低下した、あるいは認知症状が出て火元や鍵の管理ができなくなったなど本人の身体状況が悪化した場合。次に、身体はまだ元気だが将来を考えて備える場合。さらに、病院から退院したが自宅で暮らすのが難しい場合や、費用が安く24時間介護で人気が高い特養に入所が出来るまで待つ場合――などだ。

「主な高齢者施設・住宅」:ケアハウス、サ高住、グループホーム、特養、住宅型有料老人ホーム、介護付き有料老人ホームが挙げられる。費用や重度認知症への対応、終身入居の可否、日常生活の自由度などでそれぞれ違いがある。例えば、一般的にサ高住は費用が比較的安く生活の自由度は高いが、重度認知症の対応にはバラつきがある。特養は費用が安く重度認知症への対応や終身入居の面でも比較的優れているが、生活の自由度は低い。介護付き有料老人ホームは終身入居や重度認知症への対応で優れているが、入居一時金が必要なケースがほとんどで費用も高い。施設によって持ち味が異なるので、違いをよく把握して選ぶことが大切だ。

「特養、介護付き有料老人ホーム、サ高住」:特養は原則として65歳以上で要介護3以上の人が対象。公的な介護保険施設のため費用負担が少ない。介護スタッフは24時間、看護師は日中常駐し、入居者3人に対し1人以上のスタッフを配置する義務がある。相部屋(従来型多床室)と個室(ユニット型)があり、いずれも入居希望者は非常に多い。月額費用の目安は賃料、食費、その他管理費、介護費用の自己負担分(1、2割)で、相部屋(4人)が8万5千円~10万円、個室が13万円~15万円。個室が高いのはその分の賃料が高いためだ。ただし、生活保護受給者や住民税非課税の人には負担の減免制度がある。川崎市内に53施設、うち多摩区に10施設あり、よみうりランド花ハウスは入所定員150人で最大規模だ。

 介護付き有料老人ホームは原則として要支援1~要介護5の人が対象で、特養と同じく入居者3人に対し1人以上のスタッフを置く義務がある。24時間常駐の介護スタッフが随時、入浴、排泄、食事など日常生活上の世話をし、洗濯、掃除、買い物、リネン交換も行う。日中常駐する看護師が服薬を管理する。月2回の往診サービスも利用可能。主に民間の運営で、人員配置などの体制や費用は運営主体によって様々だ。入居一時金を取るところが多く東京都、神奈川、埼玉、千葉県では平均500万円、高いと5億円以上というホームもある。月額費用は賃料、共益費、食費、介護費用などで20万円~25万円。

 サ高住は2011年から始まったバリアフリー構造の賃貸住宅で、入居対象は自立した人から要支援1~要介護5まで幅広い。介護の資格を持つケアの専門家が常駐し、「安否確認」と「生活相談サービス」を提供。職員が常駐しない時間帯は通報装置を設置する。介護が必要な場合は在宅と同じく外部の事業所を利用する。入居一時金は原則としてないが、家賃1~2か月分の敷金を取る場合がある。月額費用は賃料、共益費、生活支援サービス費のほか、別途利用した介護サービスの自己負担分や食費がかかり、平均20~25万円。生活支援サービスは「安否確認」と「生活相談サービス」が必須だが、夜間緊急対応やゴミ出しサービスなどのサービス内容は必ずチェックしたい。

「トラブル事例など」:トラブルの代表的な事例は、施設のパンフレット内容と実際にかかる費用が違っていた、施設の雰囲気が合わない、職員の対応がよくない、退去時に返還された入居一時金が少ない、終身の約束で入居したのに退去を求められた――など。選ぶ際のチェックポイントは、施設の責任者や職員の人柄・勤務態度、費用や料金体系、健康管理や提携医療機関、施設の運営主体、建物の状態――など。さらに、すでに入居している人の状況や食事の内容、日常的な介護サービスの実態、施設の雰囲気(臭い、挨拶、清潔さなど)もよく見た方がよい。

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