花ハウスだより

世話をする人もされる人も近所の自然なつながりで~3月19日開催花カフェレポート

第22回「みなさんのしゃべり場 花カフェ」が3月19日、よみうりランド花ハウスのデイサービス・ルームで「ご近所パワーの活用術~気になる人を真ん中に~」をテーマに、近くにお住まいの25人が参加して開かれました。講師はボランティアグループ「すずの会」代表の鈴木恵子さん。「すずの会」は長年に渡る地域ボランティア活動が高く評価され、読売福祉文化賞などを受賞しています。鈴木さんは、高齢社会の地域ボランティアの役割は健康状態や生活ぶりで気になる高齢者に対して近隣住民が注意を払い、自然な形で継続的に交流しながら世話をしていくことだ、と呼びかけました。

以下、概要をレポートします。

                    ◇

「気になる人のための支え合いマップ」:「すずの会」は1995年、自らも約10年間、母親の介護経験がある鈴木さんがPTAの仲間5人とともに設立。認知症の方も対象に含めたデイサービスの仕事やボランティア活動に関する情報交換を続けてきた。絶えず意識してきたのは、世話をする高齢者とボランティアの間で垣根を設けないこと。そして、川崎市・野川地区で行政機関も含めたネットワーク「野川セブン」を結成。「支え合いマップ」は、健康状態や生活ぶりが気になる高齢者の家を地域の地図上に示したもので、その近隣に住む人がマップを見れば、気軽に様子を見たり、世話を焼いたりできるようにすることが作成の狙いだった。

「ダイヤモンドクラブの広がり」:マップ作りと並行しながら、地域で気になる高齢者に注意を払うボランティア、いわば実際に動けるご近所応援団の「ダイヤモンドクラブ」活動を開始した。これは、例えば、気を配るべき人の家に行き、外では口に出せないことを聞いたり話したりする活動だ。気になる人が光の点となり、隣近所の人々がそこに集まって、無理なく世話をする。それがきっかけで定期的に公園体操を始めたところもある。現在、宮前区内約40か所で活動している。2014年には、空いている家を借りて、入浴や食事提供などをするデイサービス活動の拠点も作った。そこでは地域包括支援センターなどとも連携し、誰のために何ができるか、やりたいかなどを見つける会合を定期的に開いている。

「とにかくやってみよう」:花ハウス周辺の地域も野川地区と同様、坂道が多く、高齢者にとっては買い物が大変で、医者にも行きづらい。そうした地域で住み続けるには、人の手を借りること、つまり近所付き合いが大切だ。人は皆、いつかは他人の世話にならなければならないが、特に一人暮らしの男性は地域でのつながりが薄く、ご近所付き合いも上手ではないし、困っても声を上げにくい。高齢者はいつか認知症になると思っていた方がいいが、そうならないためにも人の役にたつこと、仲間がいて誰かのために動こうとすることだ。定年退職後の男性ボランティアは、しばしば自分の話の聞き役を求めたり、活動の規約を設けたり、年次計画を作ったりしたがる。これでは自然な気持ちで動けず長続きしない。「すずの会」の男性ボランティアは、ボランティアをしている奥さんに刺激されて参加した人が多い。自分の地域で向こう三軒両隣という関係を作るためにも、気軽に声を掛け合い、囲碁やトランプ、ゲームなど、何か自分の特技を生かすことで助け合いが出来る。難しく考えないで、とにかくやってみよう!

IMG_0303.jpg

【お知らせ】:よみうりランド花ハウスと読売光と愛の事業団は、2015年2月から「みなさんのしゃべり場・花カフェ」を開催してきましたが、2年を経過した今回でいったんお休みさせていただくことになりました。社会福祉法人として、そして特養として地域のために何ができるのかという原点に立ち返り、これからの花カフェのあり方を見つめ直したいと考えています。今年夏以降には装いも新たに再開しますので、引き続き皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


Page Top