花ハウスだより

秋の味覚はチクチクと、いが栗の懐かしい感触

 「栗が落ちてきたよ~」。よみうりランド花ハウスの2階フロアに職員の威勢のいい声が響きました。栗の木に見立てた観葉植物をゆっさゆっさと揺り動かしたあと、拾い上げたのは、いが栗です。

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 触るとチクチクと痛そうな、いが栗を目にしたご入所者様から「あ~、懐かしいわね」と声があがりました。皆さん、けがをしないようにと配られた手袋をして、慣れた手つきでむいています。両足で挟むようにして、いが栗を割り、トングで手際よく栗の実を取り出したり、「私の栗が一番大きいわ!」と自慢げに見せてくださったりするご入所者様も。

 この日のいが栗は、自然のままの姿にできるだけ触れてもらいたいと、職員が故郷の新潟県阿賀町から取り寄せたものだそうです。一方、いが栗を初めて見たという都会育ちの若い職員は、「栗ってこんなカラに入っているんですね」と驚いた様子でした。

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 この後、職員が栗ご飯をつくり、昼食に提供しました。ご入所者様は「こんなに沢山、栗が入っているわ」「美味しいから、一番に食べ終わっちゃったわ」と嬉しそうでした。

 釜めしで有名な群馬県出身の102歳のご入所者様には、職員が釜めしの容器を準備し、栗ご飯を入れて提供しました。女性は、以前から体調が思わしくなかったのですが、この日はにこやかな表情で、一口だけ召し上がられました。ご逝去されたのは、その翌日のことです。ご家族の方には、最後に女性が手にした釜めしの容器も持って帰っていただきました。(笹)

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