ある日のこと、４階のフロアに、いつもと違う雰囲気が漂っていました。リビングの中央に、「ホスト倶楽部Fleur」と書かれた真っ黒なボードが置かれ、ホスト風のイケメン７人の写真が貼ってあります。間もなく、キラキラと光る赤と青のジャケットを身にまとった男性２人が、扇子をひらひらとさせながら登場しました。

　ご入所者様にホストクラブの気分を味わってもらおうという企画。２人のホストが新宿・歌舞伎町に出勤前、花ハウスに立ち寄ってくれたという設定です。ホストに扮したのは20歳代の若手職員２人。ボードに貼られた写真も、よく見るとフロアの男性職員たち、普段とは見違えるダンディーぶりでした。

　２人のホストは赤いバラとピンクのバラをそれぞれ持ち、ご入所者様のもとへ。見慣れない男性を間近にして、「あら～」「おほっ」と嬉しそうな表情を浮かべる方もいらっしゃいました。２人のホストに挟まれて、「どっちと一緒に写真とりたいですか？」と迫られた、あるご入所者様は、「両方」と満面の笑みで応えられていました。