100歳でできた友だち~編み物歴90年、生まれはあの震災の年
テーブルで黙々と編み物をする2人の女性入所者様。ともに関東大震災が起きた大正12年生まれの100歳、誕生日も1週間違いです。
写真左は3年前に入所したTさんで、右は1週間前に来られたWさん。お互い大の編み物好きで、気が合いそうだと感じたスタッフが、2人用のテーブルを設置しました。
テーブルを置いた場所はTさんが暮らすユニットと、Wさんが暮らすユニットの、ちょうど中間地点です。2人は朝起きると、車いすに乗って、このテーブルにやってきます。「おはよう」。朝の挨拶と世間話を交わすと、さっそく編み物を始めます。食事をしたり、テレビを見たり、休んだりする以外は、このテーブルに向かい、何かを編んでいます。
「お上手ですね」と声を掛けると、Tさんは愛嬌たっぷりに掌(てのひら)を顔の横に掲げてポーズをつくり、笑顔になりました。テキストを見ながら、レース糸を使って細かい網目模様のコースターをつくっています。楕円の模様が連なるパイナップル編みという編み方だそうです。
一方のWさんは毛糸で鍋敷きづくり。「編み方によって、いろんなものが出来て、面白いわよ。出来上がると楽しいし......」。一週間足らずの間にカラフルな鍋敷きを次々と仕上げています。
2人は子供の頃にお母さんに編み物を教わり、編み物歴は90年以上になります。「キューピー人形のお洋服をよく作ったわ」。そう話されるWさんが来るまで、このフロアで本格的に編み物をするのはTさんだけでした。仲間ができて刺激を受けたのか、Tさんは、これまでと違った作風にもチャレンジされています。(華)
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