花ハウスだより

西生田小学校で車イスと認知症の福祉授業 

 花ハウスの介護職員2人が11月26日、近くの川崎市立西生田小学校(麻生区細山)を訪れ、認知症や車イスについて児童たちが学ぶ「福祉の授業」の講師を務めました。

 麻生区社会福祉協議会を通じて、同校から講師派遣の依頼を頂きました。この日は、4年生の全4クラスの児童約140人を対象に、クラスごとに認知症の授業と、車イスの授業を1時限ずつ行いました。

 認知症の授業で講師を務めたのは、デイサービス副主任の後藤淳一です。PB260187.JPGのサムネール画像最初に、「認知症という言葉を聞いたことがある人はいますか?」と尋ねたところ、多くの児童が手を挙げ、「テレビで見た」「物忘れになる病気」などと答えました。後藤が、まず認知症の特徴を、「新しいことを覚えられなくなる」「時間や場所の感覚が薄れてくる」「今までできていたことができなくなる」などと説明。その後、認知症の人にふんして、児童の名前を何度も聞き返したり、着替えやトイレがうまくできなくなったりする様子を見せて、症状を具体的に紹介しました。その上で、「だれかそばにいる人がトイレの場所を教えたり、着替えを手伝ったりすれば、自分でできることが増えていきます」と話し、周囲の人たちの手助けの重要性を訴えました。

 また、後藤自身が認知症の母親を介護しているため、母親の日常の様子を映したビデオも上映し、認知症の人の姿に触れてもらいました。最後は、認知症のおばあちゃんを思う子どもの姿を描いた絵本「大好きだよ。きよちゃん」を読み聞かせて、認知症の人とともに生きていくことの大切さを伝えました。そして、「この街にも認知症の人がたくさん住んでいます。困っている人を見かけたら、やさしく声をかけて、周囲の大人に知らせてください」と語りかけました。

 一方、車イスの体験授業は、デイサービス介護職員の橋本直美が担当しました。最初に、車イスの基本的な操作方法を説明しました。PB260010.JPGのサムネール画像実際に児童に車イスに乗ってもらって、橋本が車イスを急に押してみると、乗っている児童が「怖かった」と感想を漏らしました。橋本が「車イスに乗っている人は外出するだけでも不安。手助けするときは、お年寄りが心の準備ができるように、動かす前に声をかけてあげてください」と呼びかけました。

 続いて、児童二人ひと組になり、車イスに乗ったり、押したりし合って、体の不自由な高齢者や、介助する側の気持ちを理解してもらいました。最後に、車イスに乗ったまま、10センチ程度の段差を自分の力だけで乗り越えるのができるか挑戦。足元のフットサポートが段差に引っかかるため、先に進むのが難しいことを体感し、バリアフリーの大切さを感じてもらいました。橋本は「街のなかには、まだまだ段差が多いので、バリアフリーの街づくりを進めることが大切です」と訴えました。

 児童たちからは後日、授業への感想文が届きました。児童たちは「認知症の人がどれだけ大変か分かりました」「町のなかで、『この人、認知症で困っているのかな』と思ったら、助けてあげようと思います」「絵本にすごく感動しました」「車イスの人が段差で困っていたら、声をかけて手伝ってあげたいです」などと、つづってくださいました。  

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 花ハウスを運営する社会福祉法人「読売光と愛の事業団」では、地域貢献活動の一環として、今後も、こうした「福祉の出張授業」のご依頼をお受けしたいと考えております。お問い合わせは、花ハウスの地域貢献係の後藤までお気軽にどうぞ。


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