花ハウスだより

栄養管理で認知症予防を~3月20日開催花カフェレポート

12回「みなさんのしゃべり場 花カフェ」が3月20日午後1時半からよみうりランド花ハウス1階のデイサービスルームで開かれ、ご利用者やその家族、地域住民の方など36人が参加しました。管理栄養士界のベテランとして知られる奥村眞理子さん(東京医療ふれあい生協梶原診療所勤務)が「認知症予防の栄養」をテーマに、お年寄りの食習慣の問題点や認知症予防に役立つ栄養素と食事について分かりやすく講義しました。以下に、講義の概要をレポートします。

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「毎日の食生活の基本」:高齢になると、味覚が鈍化してきて塩辛いものを好むようになる。食事はまず塩分を控えめにして、お酒はほどほどに、栄養バランスのよいものをとること。お年寄りで肉や魚を減らしている人がいるが、脳でも皮膚でも人の体はタンパク質で出来ていて、年を取ると組織の再生能力が落ちてくるので、タンパク質はきちんととった方がいい。食生活ではないが、1日15分の散歩でもいいので適度の運動を続け、外出や趣味などを通じて他人と交流して楽しむことも、認知症にならないために大切なことだ。

「認知症予防に効果的な栄養素」:血液をサラサラにするEPA(エイコサペンタエン酸)や脳の神経細胞を活性化するDHA(ドコサヘキサエン酸)はサンマやサバなど脂がのった青魚に多く含まれる。EPAやDHAは酸化しやすいので、抗酸化食品である野菜や果物も一緒に食べること。青魚はカロリーが高いといって敬遠する人もいるが、お年寄りはカロリーの高さをあまり気にしなくていい。野菜などは旬のものを特に勧める。

野菜、果物に含まれ、老化の原因である活性酸素を抑える抗酸化ビタミン類(ビタミンACE)やカルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラル類も積極的にとりたい。生野菜を食べると口が痛くなる人は、電子レンジで温めると食べやすくなる。栄養素以外で健康に役立つ働きをする植物成分をファイトケミカルという。強い抗酸化力を持つのが特徴で、例えば、トマトのリコピン、ニンジンのカロテン、ゴマのセサミンなどだが、カレー粉に含まれるクルクミンや赤ワインのアントシアニンもファイトケミカル。もっとも赤ワインも飲み過ぎはよくないのでご注意を。


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