花ハウスだより

認知症をよく知り、万全の備えを~2月21日開催花カフェレポート

「認知症を正しく理解し安心の備えを~介護の最前線からのアドバイス~」をテーマに、第11回「みなさんのしゃべり場 花カフェ」が2月21日午後1時半から、よみうりランド花ハウス1階のデイサービスフロアで開かれました。講師は認知症ケアの専門家として知られる服部安子・浴風会ケアスクール校長。服部さんは約40人の参加者を前に、①認知症の正しい理解②認知症にならないための工夫③認知症への心構えや備え―などを約1時間にわたって分かりやすく説明。最後に、高齢者ならだれしも認知症へのさまざまな不安を感じる中で、早期診断、初期段階での治療・介護方針を立てることが必要、と訴えました。以下に、講義の概要をレポートします。

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 「認知症とは」:記憶の低下、認知障害、生活の支障が主な症状。頭の中のコンピュータが壊れ、記憶を組み立てられなくなる。年相応のモノ忘れは動作を振り返っていけば忘れたことにたどりつくが、認知症は記憶がスパッと抜け落ちてしまう病気で、たどってもたどりつけない。ただし、最近の記憶は忘れるが、遠い昔の記憶は残っている。認知症は、最終的には動けなくなり、寝たきりになってしまう。

「生活面の表れ」:生活面では、例えば、お風呂が嫌いになる人がいるが、入浴するには、装身具を取り衣類を脱いでお湯に入り、またシャツやパジャマを着るという一連の動作を伴う。本人にはプライドがあり、そうした動作が分からなくなったことを人に気付かれるのが嫌でお風呂に入らなくなる。友人と通っていたカルチャースクールや旅行にも行かなくなる。高齢者は、動作が分からなくなった友人に対して辛辣に言葉に出してしまいがち。そうすると、言われた人は外へ出なくなってしまう。

「認知症の原因」:アルツハイマー型、脳血管性型、レビー小体型、前頭側頭型がいわゆる4大認知症。症状や進み方は少しずつ違っている。立派な仕事をしていた人が万引きをしたり、突然うつ状態になったりするなど、認知症のタイプによって症状の出方が違うし、薬の効き方も異なる。高齢者は薬を何種類も飲むことがあるが、飲み方によっては体に大きな打撃を与えるので、認知症が疑われたら、認知症専門医にかかることが極めて大切。

「認知症への心構えや備え」:早期に発見し、取り組むこと。完治はしないが進行を遅らせることができる。また、病気の型や程度を把握でき、治療方針をたてやすい。心構えとしては、認知症を知り、なった時のことを覚悟すること。次に、早目に専門医にかかり、介護の専門職とつながること。備えとしては、日頃から家庭内で認知症のことを話し合い、体調変化に気を配る。認知症高齢者に対する地域支援体制などの情報を集めておく。最終的な看取りに向けて家族間の意見調整をし、資産管理の仕方も考えておきたい。


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